“何もしない”が心と体を育てる:休む勇気、自分に戻る時間

こんにちは!健康塾「ホリスティック・ヘルス・ラボ」ナビゲーターの岡田です。

 

私たちの日常は、何かをし続けることで埋め尽くされています。予定、仕事、SNS、家事…。現代人にとって「止まる」こと、「手を止める」ことは、もはや“非効率”や“怠け”とされがちです。でも本当にそうでしょうか? 私たちは、何かを「し続ける」ことで、自分を見失っていないでしょうか。

 

 

「何もしない」ことの力:再生と調整のための静かな時間

実は、「何もしない」ことには、計り知れない力があります。それは、身体の深い部分で起こる再生や調整を可能にし、本来の自分へと立ち返るための静かな時間です。

 

自然界を思い浮かべてみてください。木々は冬に葉を落とし、表面的には何もしていないように見えますが、その内側では、次の季節に向けた準備が着々と進められています。根が深くなり、土が整い、そして春になればまた芽吹く。

 

私たち人間の身体や心も同じです。表に見えなくても、何もしない時間の中で、感情が静まり、神経が落ち着き、ホルモンバランスが整い、体内の修復が静かに進んでいきます。

 

 

「止まること」への罪悪感:休むことは“中断”ではなく大切な“営み”

ところが、多くの人はこの「止まること」に罪悪感を抱きます。“頑張る”こと、“前向きでいる”こと、“成果を出す”ことが尊ばれる社会では、ただ静かに横になっているだけの自分に対して、「自分は怠けているのでは?」と不安になる。

 

でも、忘れないでください。休むことは、ただの「中断」ではなく、大切な「営み」のひとつなのです。呼吸にも“吸う”と“吐く”があるように、活動と休息は一対です。どちらかが欠けても、命は成り立ちません。

 

 

ホリスティックな休養:エネルギー補充と全体性を取り戻す時間

ホリスティックヘルスの観点から見ると、休養とは単なる“エネルギー補充”ではなく、自分の全体性を取り戻す時間です。思考を止めて、感情をただ感じ、身体の声に耳を澄ます。

 

「最近、呼吸が浅いな」「このところ、食事が味気ない」「好きな音楽に、心が動かなくなっている」

 

こういった微細な変化に気づくためには、立ち止まる時間が必要です。

 

そして、その時間をとるには“勇気”がいります。効率や生産性という名のプレッシャーの中で、「あえて何もしない」という選択は、簡単なようで難しい。

 

でも、それを日常の中でほんの数分でも実践することで、確実に変化が訪れます。

 

* 朝、カーテンを開けてぼんやりと空を見る
* 夜、スマホを置いて、何もせずに横になる
* 週に一度、目的のない散歩に出かける

 

こうした行為には、計算や評価が入りません。ただ、自分に立ち返るための、静かな“場”です。

 

 

体は“もうひとりの私”:感覚と感情のサインに気づく

もうひとつ大切なのは、自分の感覚と感情のサインに気づくこと。ホリスティックヘルスでは、体は“もうひとりの私”と考えます。つまり、体は言葉を持たないけれど、いつも何かを教えてくれている存在。

 

肩こりは「無理しすぎだよ」のサインかもしれません。食欲が湧かないのは、「考えすぎて消化できてないよ」という声かもしれません。「なんとなく気が重い」という感覚には、見逃せないメッセージが込められているのです。

 

休むとは、こうした“声”に静かに耳を傾けることでもあります。その時間は、自分を回復させるだけでなく、自分自身との信頼関係を取り戻すことでもあるのです。

 

 

“何もしない”という選択:創造性と直感、真の健康が芽生える場所

現代は、何かをすること、成し遂げることが評価される社会です。けれど、本当の意味で自分を育てるのは、何かをしない時間かもしれません。

 

次に一歩を踏み出すための、静かな準備期間としての「何もしない」。その時間にこそ、創造性や直感、本当の健康が芽生えてくるのです。

 

今日のテーマ、「“何もしない”が心と体を育てる:休む勇気」――それは、何かを足すのではなく、引いていく中で見えてくる、もうひとつの生き方の提案でした。ぜひ、今夜、ほんの10分でも、何もせず、自分に戻る時間を持ってみてください。