みなさんは、最近「自分の感覚」に耳を澄ませる時間を持っていますか?
たとえば、朝の空気の匂い。手に触れるマグカップの温度。
食べ物の噛みごたえや、体のちょっとした疲れ——。
そうした小さな感覚に「気づくこと」、意外と少ないのではないでしょうか?

 

現代は、目に見える情報や「頭で考えること」が優先されがちです。
でも、私たちの内側には「感覚」という、とても繊細で賢いアンテナが備わっています。
この感覚を“内なるナビゲーター”として育てていくこと——
それこそが、ホリスティックなセルフケアの原点です。

 

「感覚を育てる」ってどういうこと?

それは、毎日の暮らしの中で、からだ・こころ・環境との“やりとり”に気づき、
その反応を感じていくことです。
たとえば:

 

  • お風呂に入ったとき、どこに一番ほっとする感覚があるか
  • 食事のあと、体がどんなふうに感じているか
  • 人と話したあとの、自分の気分やエネルギーの変化

 

こうした“感覚のメモ”を、日々の中で少しずつ拾い集めていくこと。
これは特別なスキルではなく、誰にでも、今日からできるセルフケアの第一歩です。

 

感覚を育てるうえで大切な姿勢

それは、「正解探し」をやめることです。
世の中にはたくさんの健康法やケア情報がありますが、
「これが良い」「あれはダメ」とジャッジしてしまうと、
自分の本当の感覚がわからなくなってしまいます。

 

感覚というのは、**生きた情報**です。
昨日よかったことが今日は合わないこともあれば、
以前ピンとこなかったことが今はすっと入ってくることもあります。
そのときどきの「わたし」にやさしく耳を澄ますこと。
それが、本質的なケアにつながっていきます。

 

おすすめの「感覚セルフケア」習慣3選

    1. 「今ここ」に戻る呼吸の時間
      1日に1回でOK。スマホを置いて、深呼吸を3回。
      鼻から吸って、口から細く長く吐く——。
      「どんな匂いがする?」「胸やお腹の動きは?」
      そんなふうに身体に意識を向けてみましょう。
      “感覚のスイッチ”が少しずつ戻ってきます。

 

    1. 五感の感度を高める朝の儀式
      朝起きたら窓を開けて、新鮮な空気を吸い、
      「音」「光」「肌ざわり」「匂い」に意識を向けてみましょう。
      そのあと、お気に入りの飲み物を、ゆっくり味わって飲んでみてください。
      頭ではなく「感覚」から一日を始めることで、心身の流れが整ってきます。

 

  1. 「感覚日記」をつけてみる
    夜、寝る前に1行だけ書いてみましょう。
    「今日一番心地よかったこと」「不快に感じたこと」など。
    たとえば、「午後の陽だまりで感じた温かさ」「人と話したあとの緊張感」など。
    これを続けると、自分だけの“感覚の地図”ができあがります。
    それは、あなたの“本来の快適さ”を知るためのヒントになります。

 

感覚は誠実な語り手

感覚を育てるというのは、単に「気持ちいいことをする」ことではありません。
ときには、「本当は嫌だった」「今の環境はしんどい」
そんな感覚が浮かび上がってくることもあるでしょう。

 

でも、それもすべて大事なサインです。
**感覚は、あなたの中の“誠実な語り手”**。
感情よりも正直で、理屈よりも深く、いのちの声を私たちに伝えてくれます。

 

感覚が育つと、生き方が変わる

感覚は、磨かれることでやがて「直感」となり、
人間関係の中での境界線にもなり、
“本当の自分”を導いてくれるようになります。

 

いかがでしたか?
今日は「#129 感覚を育てる日々のセルフケア」というテーマでお届けしました。
感覚を育てることは、体にやさしいだけでなく、
心や人生においても、深い気づきを与えてくれる営みです。

 

どうか今日も、あなたの感覚にそっと耳を澄ませて、
一日をていねいに味わって過ごしてみてくださいね。