体の声を聴くという習慣:わたしと深くつながるための第一歩

今日は、ホリスティックヘルスの基本中の基本とも言えるテーマをお届けします。それは、「体の声を聴くという習慣」について。

これはとても大切な感覚ですが、実は現代を生きる多くの人が、一番後回しにしてしまいやすいテーマでもあるのです。

 


感じることが、置き去りになっていない?

現代社会では、考えること・判断すること・予定をこなすことなど、「頭を使うこと」に膨大なエネルギーを費やしています。

その結果、「感じること」や「身体の感覚に耳を澄ますこと」が、意識の外側に押し出されがちです。けれど、本来身体は、私たちの“今”を一番リアルに教えてくれる存在です。

 


「体の声」とは、感覚の言葉を拾うこと

体には言葉はありません。でも沈黙の中で、私たちにさまざまなサインを送り続けています。

たとえば…

  • 朝起きた瞬間のだるさ
  • 食後に感じる胃の重さ
  • 誰かと話したあとの肩や胸の違和感
  • 深呼吸したときの空気の通り具合
  • 歩いているときの足のリズム

これらはすべて、「今のわたし」が現れている感覚です。

 


小さな声を無視し続けると…

私たちは、こうしたサインをつい無視してしまいます。

  • 「ちょっとくらい無理しても大丈夫」
  • 「気のせいかも」
  • 「このくらい、誰でも我慢してる」
  • 「今は忙しいから後回し」

でも、小さな声を無視し続けた結果、それが“大きな悲鳴”となって現れることがあります。それが、体調不良や慢性の不快感、思いがけない病気として姿を見せるのです。

 


体は最も誠実なパートナー

ホリスティックヘルスでは、体を「最も誠実なパートナー」として捉えます。

体は、決して嘘をつきません。そして、今ここにある“リアル”をいつでも伝えてくれています。

だからこそ、体の声を聴くという行為は、自分自身との信頼関係を築く第一歩なのです。

 


体の声を聴く習慣、どう始める?

1. 静かな時間をつくる

まずは、1日の中に“静けさ”を取り戻すこと。

忙しい日々の中で体の声がかき消されるのは、時間がないからではなく、静けさがないからかもしれません。

おすすめは以下のような時間:

  • 朝起きてすぐの3分
  • 夜寝る前の5分
  • スマホを見ない静かなひととき

お茶を飲みながら、窓の外を眺めながら——意識を外から内に戻す時間を、ほんの少しでも確保してみてください。

2. 部位ごとに問いかけてみる

体全体ではなく、部位ごとに問いかけてみましょう。

  • 「今、胃はどんな感じ?」
  • 「肩に重さはある?」
  • 「足に力が入っていないかな?」

そっと注意を向けてみると、思いがけない気づきが返ってくることがあります。

3. ジャッジしない

「疲れてる」「だるい」と感じたとき、すぐに「なんで?」「甘えてる?」と考えてしまっていませんか?

大切なのは、ただ受けとめること

「そうなんだね」と共感する気持ちこそが、体にとって最高の対応です。

 


今日からできる“体の声”ミニ習慣3選

ここでは、すぐに取り入れられる3つのミニ習慣をご紹介します。

🔹 呼吸スキャン

深呼吸をしながら、
目→あご→肩→胸→お腹→腰→足 と順番に“意識を向けて”いきます。
まるで身体を一枚一枚めくるように、丁寧に感じていきましょう。

🔹 食後のひと呼吸

食後の3分間、静かに座って胃の感覚に意識を向けてみてください。
「満たされてる?」「ちょっと重い?」「まだ何か欲しい?」
体のメッセージを受け取る練習になります。

🔹 内観ウォーク

歩いているときに、足裏の感覚や脚のリズムに注意を向けてみましょう。
無理に姿勢を正さなくても構いません。「今、どう歩いているか?」を感じるだけでOKです。

 


体との関係が変わると、人生が変わる

こうした小さな習慣を続けていくことで、不調のサインに早く気づけるようになったり、自分の内側に対する信頼が深まったりしていきます。

そして何より、「今ここに生きている感覚」がはっきりとしてくるのです。

ホリスティックヘルスは、“全体性としての健やかさ”を大切にしますが、その始まりはとても静かで、とても個人的なもの。

耳を澄まさなければ聴こえてこないような、そんな“体の声”にあるのです。

 


最後に、自分に問いかけてみてください

「今日のわたしの体は、何を伝えようとしているだろう?」

その問いを、毎日少しずつ繰り返していくことで、
あなたは、誰よりも深く、自分自身とつながれるようになるでしょう。