健やかさは調和から始まる
「健康でありたい」と願うとき
私たちが「健康でありたい」と思うとき、多くの人はまず、食事・運動・睡眠の見直しを思い浮かべるかもしれません。
もちろんそれらはとても大切な要素です。けれど、ホリスティックヘルスの視点では、それ以前に問い直したいことがあります。
「自分の内側に調和はあるだろうか?」
健やかさとは何か?
“健やかさ”とは、単に病気でないことや、元気に動けることではありません。
それは、体・心・意識、そして外側の環境や人間関係までを含めた、広い意味での「調和した状態」です。
たとえば、どんなに栄養バランスのよい食事を摂っていても、
- 気持ちが落ち着かず、寝つけない
- 常に何かを心配している
- 忙しさに追われ、呼吸が浅く、自分の感情すらわからない
そんな状態では、私たちの内側で「健やかさ」はうまく機能していないのです。
調和とは“波”があっても崩れないこと
調和とは、静けさや完璧さを意味するのではありません。
それは、揺らぎながらも全体としてバランスを保っていること。つまり、“波”があっても、“崩れない感覚”です。
自然界にも、この“動きの中の調和”があります。
- 海は波を立てながらも、岸に戻り、また引いていく
- 風は強く吹いても、やがて静まり、次の流れを運んでくる
- 木々は季節に合わせて、葉を伸ばし、実を落とし、眠る準備をする
人間の身体も同じです。変化しながらも、常に調和を求めて動いているのです。
揺らぎに不安を感じる現代人
しかし現代では、「自然な揺らぎ」に不安を感じる人が多くなっています。
「昨日できたのに、今日はできない」
「感情が安定しない」
「やる気が続かない」
そんなふうに、自分の“波”をダメなものとして見てしまう。
でも本当は、その波こそが生きている証であり、その波に気づけることが、調和への第一歩なのです。
ホリスティックな調和の3つの層
① 体と心の調和
- 体の疲れや緊張に気づき、それを無視しない
- 心の違和感を抑え込まず、「そう感じているんだね」と受け止める
② 内面と外の調和
自分の気持ちに嘘をつきながら、人の期待に応えてばかりいると、内側がちぐはぐになります。
健やかさは、「自分と世界との関係が、対話的であること」から育まれます。
③ 流れとの調和
「今できないこと」を焦るよりも、変化や癒しには“流れ”があることを思い出しましょう。
種を蒔いてすぐに花が咲かないように、私たちの変化もまた、時間と流れの中で育っていくものです。
自分に問いかけてみる
今日のあなた自身に、そっと問いかけてみてください。
- いま、私はどこで無理をしているだろう?
- どこに小さな不調和があると感じる?
- その不調和を、責めずに見守ることはできるだろうか?
調和とは、がんばって整えるものではなく、“見守ること”から自然と整っていくものです。
小さな調和のアクション
たとえば、今日できる小さな調和のアクションを考えてみましょう。
- 5分間、静かに呼吸する時間を持つ
- ご飯をよく噛んで味わう
- 自分に「よくやってるよ」と声をかける
- 人の期待ではなく、自分の心に沿った選択をひとつしてみる
それだけでも、私たちの中にある“揺らぎの海”に、穏やかな波紋が広がっていきます。
調和に戻ることは、いつでもできる
「健やかさは調和から始まる」——
この言葉は、プレッシャーではありません。「どんなときでも、戻ってくる場所がある」ことを思い出させてくれるフレーズです。
どんなに揺れても、どんなに崩れても、
あなたという小宇宙は、また調和のリズムを取り戻すことができます。
それを信じて、今日をやさしく過ごしてみてください。