時空を超える不思議な対話:真癒整体師が絵画鑑賞から得た施術への想い
こんにちは!健康塾「ホリスティック・ヘルス・ラボ」ナビゲーターの岡田です。
今回は番外編!真癒整体師として、絵画鑑賞から感じたこと、そして施術への想いを綴ったエッセイを元に、時空を超える不思議な対話について語っていきたいと思います。
美術館は心のタイムトンネル:過去と現在が交差する場所
大学時代、よく美術館や画廊に通いました。別に気取っていたわけではありません。そういう大学だったので、授業の一環として見に行ったのです。その時は構図がどうだとか、テクスチャーがどうのという見方をしていたように思います。大学を卒業してその延長線で数年間は展覧会によく行ったのですが、今の仕事に変わってからはぜんぜん行っていません。なんとなく遠ざかってしまったのです。
半年ほど前、金沢で講義をする機会があり、始まるまでの時間を持て余していた時、ふらっと入った駅前のデパートで開催されていた油絵の展覧会に足を運びました。新進の作家であろう?(名前を知らない。単に私が知らないだけかもしれませんが・・)。
絵画との対話:時を超える共鳴
タブロー(完成された絵画作品。エチュード・デッサンなどに対していう。)と向かい合う時、そこに描かれているモチーフよりも、作者が描いているであろう情景のイメージが湧いてきました。いつ制作されたものかわかんないけれど、その作者がキャンバスに向かっている時と、ギャラリーで私が見ている時は当然、時間的なズレが有る。一、二ヶ月前に描かれた絵でも、何百年も前に描かれた絵でも、時を越えて今、作者と対面することができるような気になる。なんか不思議な感じがする。
作者は体の中に湧き上がる思いを表現する。作者から切り離されたその感情は絵の具と筆を通してキャンバスに込められる。そのまま時を経、空間を移動して私の目の前に現れる。するとそこに込められている作者の息吹を直接感じることができたような気がした。そんな感覚になった。
展覧会を見る時、絵画から距離を取りぐるっと回る、すると目に飛び込んでくる絵が何点か有る。そして一通り回ってからそれらの数点の絵をじっくり見る。昔からこんな見方をしていた。昔はなんとなくそれが“通”の見方だと思っていた。理由は違うが今回も同じ様な見方をした。絵の気を感じたいからだ。絵が呼んでいる?。凝縮された作者の「気」が目の前で解凍されていくそんなイメージだ。
人と向き合う時:人生が解凍される瞬間
整体でクライアントと向かい合うとき、その人のエネルギーを感じる、気とは少し違う。その人の生き様が問診(カウンセリング)をしていると、ぶわーっと目の前で解凍される思いがする。吐き出される言葉の裏(奥)にある何かに触れる瞬間が有る。
元来、私は整体は施術をするものではなく、「二人のセッションである」言っている。当たり前だが一人ではできない仕事である。体を押すという行為の中で、魂の共鳴を感じることが有る。体の奥から突き上げてくるものを感じる時が有る。そんな瞬間を共有できた時、整体師をしていて良かったと思う。勿論いつもいつもではない。年に数回のセッションである。
すべてはかけがえのないタブロ
私たち人間は一人一人が、かけがえの無い命を持っている。苦しい時、楽しい時、笑っている時、怒っている時すべてが生きて、命輝いている瞬間である。一人一人の代用品っていうのは無い。すべてタブローである。コピーには無い息吹をタブローは発している。その輝くエネルギーに触れる瞬間、私も輝きを頂戴している。
今回は、絵画鑑賞から、施術への想いを綴りました。人間は、過去・現在・未来と、時を超えて繋がることができる。そのことを改めて実感するとともに、今この瞬間の大切さを噛み締めたいと思います。